「ナスD」打ち切りの裏側…経費不正とパワハラで幹部を処分、視聴者が知るべき人気番組の過酷な現場
誰もが知るような人気番組や、大物テレビマンが手がける番組であれば、そのプレッシャーは並々ならぬものになる。友寄氏が制作していた過酷なチャレンジ系の企画では、出演者が厳しい状況に追い込まれるほど、番組側としては「おいしい」ということになる。
ただでさえ過酷な環境の中で、より苦しい方に向かう重圧がかかる。出演者もスタッフも心身ともに疲弊しながらゴールに向かう。テレビの制作現場の現実はそういうものだ。
友寄氏はテレビ朝日でエグゼクティブディレクターという役職にまで上り詰め、破格の待遇を受けていた。それだけ実績を残していて、上からの信頼もあったのだろう。
テレビ業界で優秀であるという意味
ただ、テレビ業界で優秀であるというのは、穏やかにクリーンに仕事を進められるということではない。死ぬ気で面白いものを作ろうとしている人たちの競争の中で、さらにずば抜けた結果を出すために必要なことをすべてやりきっているということであり、それは並大抵のことではないのだ。その中で何らかの「間違い」が起こってしまうことがあるというのは、十分考えられることだ。
もちろん、そのようなブラックな労働環境を肯定しているわけではないし、経費横領やパワハラなどの問題行動が許されるべきだとも思っていない。ただ、事実として、私が見てきたテレビの世界ではもともとそのような問題が発生しやすい土壌があった、ということが言いたいだけだ。
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