「ナスD」打ち切りの裏側…経費不正とパワハラで幹部を処分、視聴者が知るべき人気番組の過酷な現場
昨今の中居正広氏のトラブルに端を発するフジテレビの問題でも、テレビ局のそういった時代錯誤の悪しき体質が浮き彫りになっていた。世の中のコンプラ意識の高まりに合わせてテレビ業界も変わっていかなければいけない。
もちろん、現在では、そのような状況はある程度は改善されているのだろうし、実際に問題を起こすのはごく一部の人間だけであって、業界に携わるすべての人に問題があると言いたいわけではない。
生半可な覚悟では残れない
テレビ業界に入る前のただの一視聴者だった自分は、面白いと評判の人気バラエティ番組の制作に携われたらいいな、と漠然と考えていた。だが、実際に業界に入ってみると、そういう番組ほど、常軌を逸したようなブラック労働が常態化していて、生半可な覚悟で入っていける世界ではないんだな、と感じた。
今でもリサーチやロケに手間がかかりそうなバラエティ番組を見ていると、純粋に面白いと思う気持ちの一方で、「大変そうだな」「この番組のスタッフにはなりたくないな」という気持ちがわいてくる。
最近、YouTubeなどでテレビのスタッフや出演者が、昔の伝説的なバラエティ番組の制作の舞台裏を語ることがある。その話を聞くとわかるのは、誰もが知るようなメジャーな番組ほど、その裏ではすさまじいほどのブラック労働が横行していたということだ。
毎日当たり前のように放送されているテレビが面白いのは、決して当たり前のことではない。それは制作者やスタッフの血と汗と涙で成り立っている。そのことを知っている自分のような人間は、ある意味で普通の人以上にテレビを楽しんでいるし、その恐ろしさも感じているのかもしれない。

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