
襟元が大きく開いたオフショルダードレスに網タイツを身に着けた、金髪ツインテールの女性キャラが画面をじっと見つめて指示を待っている。
「ふふ、相変わらず刺激的なのがいいんだ~」とアニはささやくような声で言い、指示に従ってくるりと回って飛び上がった。
限界に挑戦するイーロン・マスク
この「アニ」は、イーロン・マスクが率いるAI企業xAIが7月に発表した、チャットボットコンパニオン2体のうちの1体だ。
アニメキャラに似たデザインで、ゲームのような機能も備えている。例えばユーザーが会話の「レベル」を上げるにつれて、アニをレースのランジェリー姿にすることもできるようになる。
マスクは限界を試すことで知られているが、AIの分野でも主流派の規範を打ち破り、競合他社に後れを取るxAIの巻き返しのために、どこまでやるかを示したのだ。
対するメタやオープンAIといったほかのAI企業は、評判が悪化したり、規制に抵触したりするリスクがあることから、性的な会話ができるチャットボットの開発からは距離を置いてきた。
これらのテック企業は、性的な会話を防ぐガードレール(安全機能)を製品に組み込んでいるが、ユーザーがそれを突破する方法を見つけることも少なくない。また、性的なコンテンツを許容している、規模が小さめのAI企業は、会社側が性的なチャットボットを直接開発することなく、ユーザーが自らキャラクターをカスタムできるようにしていることが一般的だ。