ホテル客室係やタクシー運転者の仕事は消滅しなかった…10年前の「AIに代替される職業・代替されない職業リスト」が現実には"真逆になった"納得のワケ
現実にはAIに故手塚治虫先生の作品を学習させたうえで漫画『ブラック・ジャック』の完全新作漫画を発表するプロジェクトがすでに実現しています。絵を描いたのは人間ですが、手塚治虫先生が構想したであろうシナリオと、創造したであろう新キャラクターのデザインはAIが手掛けています。「グラフィックデザイナー」や「マンガ家」といった職業が10年前の予測とは反対に生成AIに置き換わる可能性はますます高まっている様子です。
ファッションデザイナーも下っ端の仕事がAIに代替
「ゲームクリエーター」「ファッションデザイナー」「インテリアコーディネーター」といった職業も代替可能性が低いリストに入っています。プロの職業としてはまだAIに代替されているわけではありませんが、自分のキャリアの今後のことを考えるとその分野で働くひとたちにとっては戦々恐々という状況かもしれません。
こういった仕事ではAIによって明らかに生産性の面でイノベーションが起きていそうです。「ゲーム制作」ならキャラクターの創造、基本シナリオの設計、プログラムの開発それぞれの担当ジャンルでそれまで人間が担当してきた仕事でAIが活用可能な環境になってきています。
「ファッションデザイナー」も同様です。アパレル業界がAIによるイノベーションを取り入れるとどうなるかを考えてみましょう。商業的な観点でユニクロやワークマンの今年の秋冬もののラインナップを考えるとします。AIならWOMEN、MEN、KIDSそれぞれのカテゴリーで定番ラインナップをどう揃えるべきかは一瞬で基本設計してくれるはずです。
重要なのはそこにどのような新しい企画物を入れていくかという計画でしょう。どのブランドとコラボするか? そのような新しい流行アイテムを提案するか? そういったことは依然人間のデザイナーが考えたり、人間が交渉する領域でしょう。
しかしどの程度新しい企画を揃えるべきか?や、どれくらいの費用をかけて大物とのコラボを実現するか?については人間ではなくAIに任せる時代がやってきています。ベイズ推定というAIが人間よりもはるかに得意な能力を活用すれば昨年や一昨年の秋冬物での企画の費用対効果を今年の企画のための前提として学習に取り込めます。
同様にどの商品が売れたのか? 特にどの色どのサイズが売れたのか?を学習させればアイテムごとの製造計画まで人間よりもAIのほうが信頼できる計画を作れそうです。要するに「ファッションデザイナー」の仕事はこれから先、年々、下っ端の仕事がAIに代替されていく、本当に重要なところを決められる力があるデザイナーだけの仕事になりそうです。
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