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ホテル客室係やタクシー運転者の仕事は消滅しなかった…10年前の「AIに代替される職業・代替されない職業リスト」が現実には"真逆になった"納得のワケ

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  • 鈴木 貴博 経済評論家、百年コンサルティング代表
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オズボーン氏が自らの研究をもとに未来の職業では、イギリスの35%、アメリカの47%の仕事がAIとロボットに代替されると発表し、さらに野村総研と共同する形でその2年後に日本では49%の職業が消滅の危機にあると予言したのがこのリストの大本です。

発表直後、この論文は未来予測の研究者や労働問題の研究者の間で大いに議論を巻き起こしました。予測手法についても検証が行われます。この予測は次のような手法を用いて行われました。

① オズボーン氏らオックスフォード大学の機械学習の専門家が主観で自分たちが自信をもって判定を行える職業のみを対象として、コンピュータ化が実現可能な職業と実現不可能な職業70を選別した
② アメリカの職業データベースであるオーネットを用いてそれら70の職業が持つ仕事の特性についての定量的スコアをコンピュータに機械学習させた
③ その結果を用いて同じくオーネットが扱う他の900もの職業の定量スコアをもとにそれらの仕事がコンピュータに代替されるかどうかを判定した

という方法です。①のステージではコンピュータには代替されにくいと判断できる職業として「医師」「幼稚園教師」「聖職者」などが、コンピュータに代替されやすいと判断できる職業に「データ入力者」「融資担当者」「保険引受人」などが初期設定されました。

発表当時、大きく2つの批判が起きていた

ここでその後起きた議論を簡単にまとめると、大きく2つの批判が起きました。

ひとつはロボットやAIに置き換わるかどうかのスコアは職業ではなく、その職業の中で行われる業務を分析しているという批判です。たとえば「医師」という仕事はなくならない仕事に分類されていますが、その業務の中には「患者の喉を診察する(画像診断に置き換え可能)」や「薬を処方する(データベースからAIが読みとり可能)」のように置き換え可能な業務が当然いくつもあるわけです。

そしてそういった業務がロボットやAIに置き換わるとむしろ医師の仕事は生産性が上がって忙しくなるかもしれない。この分析はそういったことが考慮されていないというのがひとつめの批判です。

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