予算「年度内成立」をめぐる与野党攻防の呆れた"舞台裏"、「熟議の国会」で横行する国民不在の駆け引き

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参院予算委員会の審議に臨む石破首相。“熟議の国会”を呼びかけたが、現実は国民不在の駆け引きが繰り広げられている(写真:つのだよしお/アフロ)

2025年度政府予算の年度内成立をめぐる与野党攻防が最終局面を迎えている。だがその裏では、政府・与党と野党による「国民不在の駆け引き」が際立っている。

約30年ぶりの少数与党の下で与野党双方が目指した“熟議の国会”のはずが、「参議院選挙もにらんだ政局的思惑ばかりの“手前勝手”な各党の対応」(政治ジャーナリスト)が横行する状況に陥っている。

石破茂首相が“火だるま”となった「10万円商品券」問題が発覚してからの2週間は、「政府と与野各党が入り乱れての“神経戦”を展開しているが、各当事者の思惑が複雑に絡み合って“自縄自縛”になっている」(同)のが実情だからだ。

各党幹部も「政権の不祥事と予算審議を切り離して、予算の年度内成立にこぎ着けるしかないというのが本音」(立憲民主党幹部)とみられている。にもかかわらず、この正論を誰も言い出せないことで“熟議”の限界を露呈したのが実態と言えそうだ。

すでに時間切れの「短期暫定予算編成」

与野党攻防の主舞台となる参院予算委員会での新年度予算案の審議は、3月25日の自民・立憲民主の国対委員長会談において、27日終日の集中審議の実施で合意。これを受けて、自民党は①28日の集中審議と同日の締めくくり総括質疑実施、②28日中の参院可決・衆院回付、③31日の衆院予算委での修正案可決で年度内成立、との日程を描いている。

これに対し、野党第1党の立憲民主党は「27日の集中審議実施を28日の予算案採決に結びつける考えはない」(参院国会対策幹部)と反発。その一方で、憲法の規定による4月2日の予算自然成立については「その前に決着させるべきだ」(同)との考えを示す。

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