「予算年度内成立」を野党が"容認"した舞台裏 夏の参院選をにらみ与野党が複雑怪奇な駆け引き
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前半国会の最大の焦点だった2025年度政府予算の年度内成立が確実視される状況となった。野党第1党の立憲民主が「年度内成立を阻まない」と表明する一方、日本維新の会、国民民主党が予算案賛成を視野に、与党との交渉を進めているからだ。
石破茂首相ら与党幹部は「少数与党下での熟議の国会の成果」(自民幹部)と胸を張るが、永田町関係者の間では「裏舞台での与野党駆け引きは複雑怪奇。夏の参院選をにらむ野党各党の得点争いを、与党が巧妙に利用した結果」(政治ジャーナリスト)との見方も広がる。
これを受け石破政権は、通常国会での「最初で最大の難所」(官邸筋)を乗り越えることで、「今国会での石破首相の退陣はなくなった」(自民幹部)と安どの表情を隠さない。ただ、「次なる関門となる『企業・団体献金廃止』や会期末に想定される『選択的夫婦別姓』で野党の攻勢をかわすことができるかは不透明」(同)で、石破政権にとって「宙づり国会での苦闘はなお続く」(同)ことは間違いない。
立憲・野田代表が「年度内成立は阻まない」と宣言
今回、来年度予算の年度内成立への道筋をつけたのは野田佳彦・立憲民主代表である。野田氏は17日の衆院予算委集中審議で「(来年度予算案については)いたずらに人質に取って衆院通過を遅らせ、2024年度内の成立を阻むことはしない」と明言した。
野田氏は石破首相との「現旧首相対決」の中で「与野党が知恵を出し合い、国民のためによりよい予算を作っていく姿をみせることが、政治に対する信頼を取り戻す第1歩になる」との認識を示し、石破首相も謝意で応じた。
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