「予算年度内成立」を野党が"容認"した舞台裏 夏の参院選をにらみ与野党が複雑怪奇な駆け引き

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野党側は松本氏の聴取内容を踏まえ、裏金事件を巡って衆参の政倫審で「知らぬ存ぜぬ」を繰り返した旧安倍派幹部の発言との矛盾を明らかにすることで、今後の衆参の政治改革特別委で「虚偽発言」として追及し、夏の参院選に向け、国民の自民党批判につなげる構えだ。

そうした中、野田立憲代表が今国会会期末の最重要課題とするのが、「選択的夫婦別姓制度」導入問題だ。野田氏は17日の都内の講演などで、同制度導入に向けた法案を野党共同で提出する方針を示した上で、「導入に積極的な公明党との連携で衆院を通すことができる。参院法務委員長は公明党だから、衆院で通ったものを参院でつぶすことは難しく、成立する可能性が十分出てきている」と今国会での野党案成立への自信をにじませた。

こうしたことから、石破首相周辺からも「予算年度内成立がすんなり実現しても、まだまだ難題だらけで、状況次第では自民党内の反石破勢力による石破降ろしの動きも出かねない」(官邸筋)との不安の声が漏れてくる。そこで政界関係者が注目するのが内閣支持率の推移だ。

さらなる支持率上昇は“脱安倍”がカギに

日米首脳会談後に報道各社が実施した複数の世論調査で、石破茂内閣の支持率はおおむね上昇に転じている。ただ、「上昇幅はまだ限定的で、低迷状態から抜け出ることができるかは、今後の石破政権の政策決定や国会運営や状況次第」(政治ジャーナリスト)だ。内外で評価された8日(日本時間)のトランプ大統領との日米首脳会談だが、その後のトランプ氏の関税引き上げ発言などで、「評価が下がる可能性」は否定できない。

そうした中で石破首相周辺が支持率アップのカギと位置付けているのが“脱安倍”だ。これまで自民内保守派の牙城でもあった旧安倍派への忖度からか、昨秋の自民総裁選などで主張した「裏金事件解明」などについて、首相就任後は及び腰の姿勢が際立ち、それが支持率低迷の原因となってきたことは間違いない。

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