野党共闘不発で漁夫の利も? 石破首相が解散見送りで見いだした「7.20参院選」の勝ち筋

国会は6月22日に150日間の会期を終えて閉幕する。野党第1党の立憲民主党が19日に「国難下の政治空白は許されない」などの理由で内閣不信任決議案の提出見送りを決めたことから、石破茂首相も衆議院を解散せず、政府は週明け23日に「7月3日公示・同20日投開票」という参議院の選挙日程を閣議決定する。
これを受けて、与野党各党は国会閉幕を待たずに本格的な選挙活動をスタートさせることになる。そして「7・20参院選」は、昨年10月に発足した石破政権の存続の可否が最大の焦点となる。
昨秋の衆院選での敗北で少数与党となった自民・公明両党連立による石破政権にとって、今回の参院選でも自公過半数割れとなれば、「石破首相退陣→野党連立政権誕生」という政局激変も想定される。
ただ、国民が苦闘する物価高回避への“象徴”ともなるコメ価格引き下げで小泉進次郎農水相が大活躍していることで、低迷が続いてきた内閣支持率は上昇基調。石破首相も参院選での自公過半数維持に自信をにじませている。
他方、野党各党による参院選での「本格的共闘」は困難視されている。「野党各党が自党の勢力拡大を優先すれば、各選挙区で野党候補が乱立し、自公が漁夫の利を得る」(選挙アナリスト)ことにもなるだけに、今後の野党各党の対応が注目される。
6月19日に何が起きたのか
少数与党下での会期末攻防の最大の焦点だった内閣不信任決議案の提出を立憲民主党の野田佳彦代表が見送ったことについて、政界関係者の間では「“不信任勝負”で石破首相の衆院解散を誘発すれば、衆院での自公過半数復活につながりかねないとの不安があった」と指摘する声が多い。
そこで、会期末政局のターニングポイントとなった、19日の政府や各党の動きを振り返っておきたい。
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