コメダ、コナズ、星乃、むさしの森も…なぜみんな「コーヒー」ではなく「珈琲」? 「珈琲系」カフェチェーン隆盛の"背景"
歴史を振り返ると、「珈琲館」(1970年〜)、「椿屋珈琲店(1996年〜)」は古くから存在していたが、やはりターニングポイントはコメダ珈琲店だろう。現在では、カフェチェーンの中で3番目に店舗数が多いチェーンになっている。

コメダが存在感を増してきたのは、株式会社コメダを設立して本格的にフランチャイズ展開をはじめた1993年以降。東京23区初出店は2007年で、2010年代に全国展開に拍車をかけた。
それ以外でも上島珈琲店は2003年、倉式珈琲店は2008年、星乃珈琲店は2011年に店舗の展開を開始。コナズ珈琲は2013年、高倉町珈琲は2014年、むさしの森珈琲は2015年に1号店を出店している。
さらに、セルフ式カフェとして知られるドトールコーヒーも、「ドトール珈琲農園/珈琲店」を2017年から始めている。2000年代後半から2010年代にかけて、ぐっとその数が増えている。

現在のチェーンカフェの店舗ランキングでは、上位10位の中でコメダ珈琲店、上島珈琲店、珈琲館がランクイン。まだ店舗数のうえでの存在感は大きくないが、新規チェーンの多くが「珈琲」と入れているのは、面白い現象だ。
コメダ珈琲店に見る「珈琲系」カフェの特徴とは
「珈琲系」カフェの特徴はなにか。まずは「コメダ珈琲店」の店に行ったつもりで考えてみよう。
コメダに入る。国内で3番目の店舗数を持つコメダは、最近では都心店も増えているが、もともとは郊外のロードサイドにある一戸建て型の店舗を得意にしている。駐車場に車を停めて、店内へ。
店内はゆったりとした席が用意されていて、木を基調としたデザインが落ち着きを与える。注文はセルフではなく、席に座り、店員さんを呼ぶ。商品も店員さんが持ってきてくれる、いわゆる「フルサービス」というやつだ。
周りを見渡すと、コーヒーを片手に話し込むシニアの夫婦がいたり、ママ友が集まって話に花を咲かせていたりする。あるいは、コメダでは多くの店舗でコンセントがあるから、仕事をしているサラリーマンもいるかもしれない。いずれにしても、長居をする人が多い。
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