武士の踏み倒しに対抗!武家屋敷で大声を出し、座り込むことも… 「座頭貸し」の"奇抜な取り立て"

✎ 1〜 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

鳥山検校は、吉原の花魁の瀬川を身請けするために1400両と、現在の紙幣価値に換算して約1億4000万円も投じて、江戸で大きな話題となった。

検校になるだけでも大金が必要なのに、瀬川を手に入れるためにその2倍の金額をつぎこんだと思うと、改めてその財力に唸らされる。

派手に遊んで幕府に目をつけられた鳥山検校

だが、前述したように、座頭貸しの厳しい取り立てが問題視されて、鳥山検校の運命は一変。全財産を没収されたうえで、江戸から追放されるという憂き目に遭っている。瀬川を身請けしてから3年後のことだった。

鳥山検校はやや目立ちすぎてしまったが、武士による滞納が横行していたことを思うと、強硬な手段に出た金貸し側にも、それなりの言い分があったのではないだろうか。

【参考文献】
谷合侑「中世・近世の盲人像 第5回 江戸時代前半期における盲人の生活と職業」(視覚障害者支援総合センター編「視覚障害 : その研究と情報」67巻)
松木寛『新版 蔦屋重三郎 江戸芸術の演出者』(講談社学術文庫)
鈴木俊幸『蔦屋重三郎』 (平凡社新書)
鈴木俊幸監修『蔦屋重三郎 時代を変えた江戸の本屋』(平凡社)
倉本初夫『探訪・蔦屋重三郎 天明文化をリードした出版人』(れんが書房新社)

真山 知幸 著述家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

まやま ともゆき / Tomoyuki Mayama

1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年独立。偉人や歴史、名言などをテーマに執筆活動を行う。『ざんねんな偉人伝』シリーズ、『偉人名言迷言事典』など著作40冊以上。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義(現・グローバルキャリア講義)、宮崎大学公開講座などでの講師活動やメディア出演も行う。最新刊は『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』( ディスカヴァー・トゥエンティワン ) 、『ひょんな偉人ランキング ―たまげた日本史』(さくら舎)。「東洋経済オンラインアワード」で、2021年にニューウェーブ賞、2024年にロングランヒット賞受賞。
X: https://twitter.com/mayama3
公式ブログ: https://note.com/mayama3/

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事