武蔵境の老舗家系ラーメン店「大山家」。「オープンから3年は常に赤字」「公共料金もギリギリ」だった店を救ってくれたのは"祖母の味"だった

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「はじめは『卵入れるだけで100円も取りやがって』とかいろいろ言われて悩みました。ですが、一度食べるともう一度食べに来てくれるんです。

カッコいいラーメンでもありませんし、完全に大衆向けなラーメンなのですが、スープの温度帯など調整が結構難しくて、意外とできそうでできない商品だったのがよかったのかと思います。おばあちゃんのおかげです」(大山さん)

「地域密着」「はやりを追わない」戦略

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今の客層は地元客が大半で、ラーメンフリークは少ない。完全に地域密着だ。これが強い。

家系ラーメンとは少し作り方を変えて豚骨ラーメン寄りに仕上げ、とにかくはやりは追わないと決めている。オンリーワンならば、はやりは気にしなくていいのだ。

「お店の20周年の時に『200円ラーメン』というのをやったんですが、お店の駐車場を見ると自転車だらけだったんです。ほとんどが地元の方々だったんですね。それを見て、自分のやってきたことは間違いじゃなかったんだと思いました」(大山さん)

大昔のおばあちゃんの知恵から生まれたオンリーワンな一杯が、今日も地元のお客さんに愛されている。

【もっと読む】ラーメン店主も疑問「麺硬め」「味濃いめ」流行の謎 普通が一番美味しいのに…ブーム形成の"裏側" では、デフォルトの味を食べないまま「麺硬め」「味濃いめ」を頼む人が増えた背景について、ラーメンライターの井手隊長氏が詳細に解説している。
井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。東洋経済オンラインアワード2024にて「ソーシャルインパクト賞」を受賞。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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