「抗がん剤治療はしない」「標準治療は受けない」 56歳で亡くなった倉田真由美さんの夫が決断した"膵臓がん"との向き合い方

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――膵臓がんと宣告され、叶井さんは標準治療を受けないという選択をしました。

私は最初はね、抗がん剤をやって、それでうまくいったら手術をする。そういうものだと思っていました。でも、そうじゃなかったです。

ただ、夫が標準治療をしないと決めてからは、標準治療というのはどんなものなのか、いろいろ調べたり、いろんな人の話を聞いたりしました。そのなかで、そういう選択もあってもいいことを知りました。

倉田真由美 叶井俊太郎
倉田真由美さん(撮影:今井康一)

――それは、膵臓がんだったから、ということはありますか? 例えば、別のがんで「手術で取ればほぼ治ります。5年、10年生きます」みたいなものだったら?

膵臓がんだったから夫がそのことを決めたかどうかは、わかりません。ただ、私は膵臓がんだったから、その選択肢を受け入れられた。迷わずにすんだというのはあります。ほかのがんだったら、もっと迷ったかもしれませんね。

いずれにしても、標準治療をしたって亡くなる人はいます。日本の死因の1位はがんですから、標準治療したって亡くなるときは亡くなるし、助かるときは助かる。

「どんな治療を受けるか」は自分で決めていい

――叶井さんの選択を通じて、倉田さんの考え方も変わっていった?

それはありますね。

私もかつてはそうでしたが、がんになったら標準治療をして、緩和治療をして……みたいな感じが、なんとなくみんなの中にあります。でもそうじゃなくて、「どんな治療を受けるか」ということを、もう少し自分で決めることが一般的になってもいいんじゃないかな、と思いました。

もちろん、標準治療が悪いとは言っていないんです。標準治療を受けたほうがいいって考えるのであれば、そうすべきです。でも、標準治療を受けたくないとか、ほかに道はないのかって思いつつも、治療のベルトコンベアーに乗るっていうのは、少し違うんじゃないかなって。

日本の医療システムの問題もあるんだと思いますが、がんがわかったときに標準治療をしないという道を選ぶって、とても難しい。少なくともこの国の医療は「ご自身の好きにしていいですよ」っていうスタンスじゃない。実際、そうじゃない選択をしただけで、“反医療”みたいに言われましたし。

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