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修行でウツになった僧侶"復活"した意外な方法

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  • 枡野 俊明 「禅の庭」庭園デザイナー、僧侶
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白隠さんについてはもう1つ、日本で初めて「健康本」をベストセラーにした人、という側面にも触れたいと思います。

白隠さんは、江戸時代にあって異例の長生きで、84歳まで生きました。

じつは禅僧の多くが長生きです。一休宗純は87歳まで生きましたし、現代において各宗派の貫首になるのも、80代や90代になってからです。70代でも「あの人、若いね」と言われるぐらい、禅僧は知力、体力が衰えません。おそらくは、質素な食事や、心を落ち着ける坐禅の習慣などが功を奏しているのでしょう。

白隠さんも、亡くなる寸前まで講話をしました。多いときには700人もお寺に集めて、ひとときも休まずに語り続けたといいますから、そのエネルギーたるや途方もないものがあります。

その活力がどこからくるのか。白隠さんがいうには、仙人から教わったという「軟酥(なんそ)の法」と「内観の法」に、秘密があります。どちらも、禅に伝わる丹田呼吸に基礎を置いた、一種の健康法です。

厳しい修行が「うつ」を招いた

白隠さんがこの健康法を体得したのは、若い頃の病気がきっかけです。

15歳で出家した白隠さんは、それから各地で修行を重ねて、24歳のときに越後の高田にある英巌寺に入門しました。英巌寺で坐禅に励んでいるさなか「暁の鐘を聞いて大悟した」と資料にはあります。

ところが、当時のお師匠である性徹(しょうてつ)和尚は、そんなものは大悟ではないと認めなかったとか。その悟りを本物にするべく訪れた信州の正受老人(道鏡恵端)にしごかれ、殴られ、蹴飛ばされ、縁側から突き落とされと、へとへとになった翌日、白隠さんはようやく悟りを得たのです。

おそらく、こうした厳しい修行が「禅病」を招いたのでしょう。現代の僧侶も、修行をしていてうつ状態になることがあります。

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【目から涙が止まらない】

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