【SNSで見つけたイケメンがホストだった】営業時間外でもSNSに注力する現代のホストたち。売上の約2割を配信の「投げ銭」で稼ぐ者も

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一方、ホスト個人で運用しているアカウントは自費で業者を雇うか自分自身で編集をしている場合が多く、財力や継続力が求められる。顔の良さで大バズ(大きく話題になること)して新規顧客を呼び続けられるキャストもいれば、企画力や相談力で注目されるホストもいる。

昨今は店舗内の接客だけではなく、SNSをいかに上手く運用できるかも「ホスト力」として測られるのだ。

「投稿しないと罰金」「拡散しないと初回接客禁止」

ホストの労働にSNS労働が組み込まれ、ホストとしての「営業用アカウント」を作成し、運用する。それによって歌舞伎町での知名度を上げ、売上も獲得していくのが最近の売れっ子ホストの流れである。個人の自由であったSNSでの発信が、ホストとして「より売れるため」の労働と化しているのだ。

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さらに、最近のホストクラブのなかには「毎日SNSに1ポスト以上投稿しないと罰金」「店舗の公式SNSの内容を拡散しないと初回接客禁止」「営業前30分はSNSを触る時間」と、店舗からキャストにSNS運用を明確に労働として強いる店舗も増えている。営業前後の配信が義務化されているホストのなかには、泥酔しながらライブ配信を行ない、その日来店した客への連絡業務などを怠って喧嘩に発展してしまう者もいる。

「接客業」として、来店して売上に貢献してくれる客を大切にするのが大前提のホストという仕事において、SNS労働は受け入れられるまでにたびたび物議を醸してきたが、現在はSNSによる集客率が伸びたことによって、必要不可欠なものとして認められつつある。

しかし、顧客との火種になりやすい点は変わらない。そのため、SNS上で交流するユーザーと、実際に店舗に足を運ぶ客への対応に「差をつける」といった細かな配慮が求められるのだ。

佐々木 チワワ ライター

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ささき ちわわ / Chiwawa Sasaki

ライター。2000年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。高校生の頃から歌舞伎町に足を運び、トー横キッズやホストなどの現場を取材し、「歌舞伎町の社会学」を研究。自身もホスト通いを重ね、消費者としても参与観察を続ける。著書に『「ぴえん」という病』(扶桑社新書)、『歌舞伎町モラトリアム』(KADOKAWA)、『ホスト!立ちんぼ!トー横! オーバードーズな人たち』(講談社)など。

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