電気自動車の充電方式で規格争い勃発、先行する日本に欧米勢が“待った”

「普及に水を差す行為」

すでにチャデモ方式は、欧州を中心とした標準化団体IEC(世界電気標準委員会)や、米国のSAE(自動車技術者会議)に提出されている。突然の欧米メーカーの“横やり”に、日本の関係者からは「これは貿易戦争。欧米メーカーの嫌がらせとしか思えない」という声が上がる。

両規格が並立すれば、EVの普及にもマイナスだ。せっかく充電インフラを整備しても、規格の違いによって充電できないケースがありうる。自ら急速充電器の開発も手掛ける日産の志賀俊之COOは「本業でもないのに充電器を開発するのは、ひとえにEVの普及のため。今回はそれに水を差す行為だ」と憤る。

IECでは13年半ばにも充電規格が正式決定される見通し。日本側ではチャデモの孤立化を回避すべく、「アダプターなどを使って、両方式を調和させることも検討している」(日産の川口均常務執行役員)。日本企業が技術で先行しながら国際規格争いに敗れた例は多い。同じ轍を踏まないためにも、官民挙げた対策が必要になる。

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(本誌:並木厚憲 撮影:今 祥雄 =週刊東洋経済2012年2月25日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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