「産休クッキー」炎上の背景に見える複雑な感情 負の感情に支配されず、心を軽くするための考え方

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産休に入る同僚
「産休クッキー論争」に見える社会の価値観や、マウントに振り回されず心を軽くする考え方を探ります(写真:maruco/PIXTA)
「産休クッキー」という言葉がSNSで話題になりました。産休前に職場への挨拶としてお菓子を配る行為が、「妊娠をマウントしている」「配慮が足らない」と批判されたのです。日本では、人の成功や幸せを素直に受け取ることが難しくなっている場面が増えているように感じます。
本記事では、ハーバード大学小児精神科医で3児の母・内田舞氏と、ボストン大学感染症疫学者で2児の母・塩田佳代子氏による『仕事をしながら母になる 「ひとりじゃないよ」心がラクになる思考のヒント』から一部を抜粋・再編集。「産休クッキー論争」に見える社会の価値観や、マウントに振り回されず心を軽くする考え方を探ります。

それってマウント?

内田:日本では、近年「マウント」という言葉がたびたび使われるようになりましたね。相手よりも優位に立とうとすることを表す言葉のようですが、英語の「Mount」は、山を登る、馬に乗る、大きな仕事に取り掛かる、部品を器具に取り付ける、といった意味なので、本来の意味とは全く違う日本語表現が誕生した点が興味深いと思いました。

日本でわざわざ英語とは違う意味を持つ「マウント」という言葉が流行する背景には、みんながある程度平等であるべきだという発想があるからかもしれません。しかし、多くの日本人が「マウントをとっている」などと感じてしまうことの大半は、実は自慢でもマウントでもなくて、単に、その人なりの達成感や誇りに思えることをシェアしただけなのではないかと思います。

私は筋トレ、とくにブートキャンプ(全身の筋肉を鍛えるために多種多様な動きを繰り返すハードなエクササイズ)が大好きで、そうしたワークアウトのためにほぼ毎日時間を作っています。

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