「認知症は生活習慣病の1つ」80歳を超えた認知症研究の第一人者が強調するワケ

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血圧が高くなるほど、血管性認知症のリスクが高く

82歳の認知症研究の第一人者が毎日していること (扶桑社新書)
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1988年に久山町で循環器検診を受けた65〜79歳の住民668人を2005年までの17年にわたって追跡調査したところ、「高血圧前症」「ステージ1高血圧症(140‐159/90‐99㎜Hg)」「ステージ2高血圧症(160‐179/100‐109㎜Hg)」と血圧が高くなればなるほど、血管性認知症のリスクが高くなっていました。

また、同じ集団が15年前に検診を受けたときの血圧と照らし合わせてみると、中年期に「ステージ2高血圧症」であった人は正常値だった人に比べ、発症リスクは10倍以上であることもわかったのです。

しかも、中年期に「ステージ2高血圧症」であった場合、老年期の血圧レベルにかかわらず約5倍も高くなることもわかりました。

それを踏まえて考えると、将来の認知症を防ぐには中年期からの血圧の管理が非常に重要であることがわかるでしょう(図4・5参照)。

杉本 八郎 薬学者
すぎもと はちろう

1942年、東京都生まれ。薬学者、脳科学者。エーザイ入社後、新薬開発の研究室で高血圧治療薬「デタントール」、そして世界初のアルツハイマー病治療薬「アリセプト」の創薬に成功。アリセプトは97年に米国で、99年に日本で承認・発売。98年、薬のノーベル賞といわれる英国ガリアン賞特別賞を受賞。同年、日本薬学会技術賞と化学・バイオつくば賞、2002年に恩賜発明賞を受賞。京都大学薬学研究科創薬神経科学講座教授、京都大学大学院薬学研究科最先端創薬研究センター教授、同志社大学脳科学研究科教授を経て同大学生命医科学研究科客員教授。日本薬学会理事、有機合成化学協会理事などを歴任。14年、グリーン・テック代表取締役に就任。25年4月、名古屋葵大学学長に就任。
趣味は俳句、剣道。主な著書に『世界初・認知症薬開発博士が教える 認知症予防 最高の教科書』(講談社)、『認知症研究の第一人者がおしえる 脳がよろこぶスープ』(アチーブメント出版)

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