"現役世代の稼ぎ"を守る「収入保障保険」って何? 「ヒューマン・キャピタル」から考える人生設計
日本では、生命保険の世帯加入率は9割近くに達しているので、多くの人は何らかの形で生命保険に入っていることでしょう。けれども、自分がどんな保険に入っているのかは、忘れてしまっている人も多いのではないでしょうか。なかには、保険料を払いすぎている人もいるかもしれません。
生命保険にはいくつかの種類がありますが、代表的なものに「終身保険」と「定期保険」があります。
終身保険は、一生涯にわたって保障が続く保険です。人は誰しもいつかは亡くなりますが、終身保険に加入していると、解約しない限り、いずれ家族が保険金を受け取ることになります。
一方、定期保険は保障が一定期間(例えば10年)に限られる保険です。この場合、保障期間中に被保険者が亡くならなければ、保険金は支払われず、それまでに支払った保険料は「掛け捨て」になります。
同じ保障額で比べると、定期保険の保険料は終身保険よりも安くなります。これだけ聞くと、定期保険のほうがお得に感じるかもしれませんが、そう簡単な話ではありません。
例えば、30歳で10年間の定期保険に加入すると、40歳で契約が切れます。保障を続けるには、契約を更新する必要がありますが、そのときには年齢が上がっているため、保険料も以前より高くなります。
年齢が上がると死亡率が高くなり、それに伴い保険金が支払われるリスクも高まるため、保険料が上昇するのです。
さらに、保険には一般的に加入時の年齢制限があります。例えば、60歳が制限年齢だとすると、それ以降は定期保険の更新ができなくなってしまいます。そのため、長期的な保障を考えると、終身保険のほうが有利な場合もあるのです。
このように、終身保険と定期保険にはそれぞれメリットとデメリットがありますが、その中間的な選択肢として「収入保障保険」と呼ばれる保険商品があります。この保険は、毎月の給与収入を保障するものと考えるとイメージしやすいでしょう。
例えば、「被保険者が亡くなった場合、保険会社が遺族に毎月30万円を支払う」というもので、もし被保険者が存命で働いていたら得られていたであろう月給を、保険が代わりに支払うしくみです。まさに、生命保険の本来の役割である 「ヒューマン・キャピタルを代替する」という機能を忠実に実現した保険といえるでしょう。
コスパのよい合理的な保険とは?
収入保障保険の魅力は、一般的に終身保険よりもかなり安い保険料で提供されている点にあります。その理由は、収入保障保険には支払い期間の上限が設けられているためです。
この上限は、「被保険者が60歳になるまで」などのように契約書に明記されます。そのため、収入保障保険は年金のように生涯にわたる支払いを保証するものではなく、あくまで現役時代の収入を代替するための保険です。
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