"現役世代の稼ぎ"を守る「収入保障保険」って何? 「ヒューマン・キャピタル」から考える人生設計

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自分自身のヒューマン・キャピタルを築いていく努力は、物心がついたころから始まります。

みなさんも一度は、「なんで学校に行って勉強しなきゃいけないんだ!」と思ったことがあるかもしれません。実際、大昔は学校なんて通わずに、家族みんなで狩りや農作業をしながら生活していた時代もあったことでしょう。

しかし、現代社会は非常に複雑化しているため、子どもが生きていく力を身につけるには、親の教育だけではとても足りません。

そこで、義務教育が導入され、さらに高校や大学、塾に通うことが一般的になり、成人してからも職業訓練校や社会人大学院で学び続けるのが当たり前になっています。

例えば、学校で習う漢字や掛け算九九、英語といった知識は、社会人になってからも日常的に使う大切なスキルです。学校で特別に優れた成績を収めていなかったとしても、学び続けることで、基礎的な能力は自然と身についていくものです。

そして、周りの人々と同じくらいの常識や教養、計算力や文章力、読解力が備われば、それらが社会での仕事を大いにサポートしてくれます。

経済学の切り口から考えると、私たちはそうやって学んでいくことで、自分自身の「稼ぐ力」を高めているのです。私たちは、生まれたばかりのときは何もできませんが、やがて言葉や計算や常識を学んでいき、それらを使って仕事をして報酬を受け取るようになります。

この「稼ぐ力」のことを、経済学の専門用語で「ヒューマン・キャピタル」といいます。

ヒューマン・キャピタルの由来

ヒューマン・キャピタルという言葉の由来を見てみましょう。

「資本(capital:キャピタル)」とは、お金を稼ぐための元手のことです。

例えば、株式会社がビジネスを始めるときに、必要な資金を集める手段として株式を発行します。仮に、1株1万円の株を10万株発行すれば、その企業は合計で10億円を調達できます(1万円×10万株=10億円)。この資金を使って工場を建設したり、原材料を調達したりすることで製品を生産し、その製品を販売することで利益を上げます。

このように、株主から集めたお金は、企業がビジネスを通してお金を稼ぐための元手となるので、「株主資本」と呼ばれます。この「資本」という概念がヒューマン・キャピタルにも応用されているのです。

ヒューマン・キャピタルとは、みなさんが持つ知識やスキル、時間や体力といった「資本」を活用して、人生というビジネスで価値を生み出す力のことを指します。

人間を資本とみなす考え方は、昔から存在していました。18世紀の経済学者アダム・スミスも、資本の一部として人間を挙げています。

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