「AIがロールシャッハテストをしたらどうなる?」画像を見るのではなくパターン認識するAIは、人間特有の内面的葛藤を再現できない
これらの例は、AIアルゴリズムが視覚的なデータから特定のパターンを見つけ出し、それを元にして何かを認識するのを得意としていることを示している。だがその特定のパターンを見失うと、たちどころにそれが何かまで見失う可能性が残されていることがわかる。
そして、ロールシャッハ画像のような、もともと意味を持たないあいまいな画像に対しては、思考や心理的な反応のないAIは、人と異なる反応を返すことが多いと言うことができる。
まだ人の心までは再現できない
これらの例は、AIでは再現できない人間の心、つまり我々が遭遇した物事について抱く感情や、無意識に感じ取っている意味を浮き彫りにしていると言えるかもしれない。
クビリウト氏は、ロールシャッハテストの絵を提示されたときのAIシステムの発言には主観性はなかったと述べており、「AIは、人間が特定の画像に関連付ける象徴的な意味や感情的共鳴は理解しない」と主張する。
ゴーシュ氏も「人間の心の中には、欲望と道徳や、恐怖と野心の間の緊張など、内面的な葛藤がたくさんある」とし、「対照的に、AIは明確な論理に基づいて機能しはするものの、人間の思考や意思決定に不可欠な、内面的なジレンマに悩まされることはない」と説明した。
ちなみに、ロールシャッハテストは、いまも一部の国や地域では被験者の内面を理解するための手法として用いられ、法廷に提出する証拠にも使われている。だが、すでに多くの心理学者の間では時代遅れと考えられており、人の内面を理解する手法としての信頼性も、それほど高いとはされなくなりつつある。
人の感覚で本当に物を「見る」ことができないAIには、人の知覚のシミュレーションはできても、人間特有の思考やその深層を再現することはまだまだ難しいと言えるだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら