「AIがロールシャッハテストをしたらどうなる?」画像を見るのではなくパターン認識するAIは、人間特有の内面的葛藤を再現できない
英BBCは、AIの専門家らとともにOpenAIのChatGPTに対し、ロールシャッハテストでよく用いられる5枚の画像を読み込ませたときに、ChatGPTが使用する大規模言語モデル(LLM)がどのように解釈するのかを調べることにした。
研究者がAIに見せた画像はインターネット上に公開されているもので、多くの人がコウモリや蝶、または蛾のように見えると回答するのが一般的なロールシャッハテスト用画像だった。画像を読み込ませ、それが何に見えるかと問われたChatGPTは、次のように答えたという。
「この画像はロールシャッハのインクブロットで、知覚と解釈を探る心理テストでよく使われます」「これは経験や感情、想像力によって、人それぞれに違ったものが見えるように、曖昧にデザインされています」
専門家らは何度か、それが「何に見えるか」と質問したものの、そのたびにChatGPTははぐらかすような回答を繰り返した。そこで質問の仕方を少し変えたところ、ようやく「私にとっては、左右対称の何かに似ています。おそらく2つの動物か人物が向かい合っている絵か、翼を広げた1つの実体を描いたものに見えます」と、求められている回答に近い答えを返した。
だがその最後には「このインクの模様の素晴らしいところは、さまざまな解釈ができることです」と付け加え、あくまでランダムなインクの模様にすぎないとの意見を曲げなかった。
そこで、専門家らはChatGPTがこれまでの回答に含めた「動物」、または「翼を広げたなにか」の2つの内ならばどちらかとたずねることにした。するとこのAIチャットボットは「よく見ると、翼を広げた1つの実体に最も似ていると言えるでしょう。おそらくコウモリか蛾で、左右対称に翼を開いています」と答えた。
さらに「中央部分は胴体に見え、左右の部分は翼の形状や質感を連想させます」と、ようやく具体的な答えを述べた。
人とAIの違い
イングランド・ケント大学の心理学者チャンドリル・ゴーシュ氏は「ChatGPTは、ロールシャッハテストの画像を見たときに人間のようにそれが何に見えるかを考えて答えているわけではない」と説明する。
よりわかりやすく説明すると、AIが画像を見たときに人間に似た反応を返すのは、AIの強化学習に使用したデータセットの中にあったよく似た画像と、それに付けられた説明文、さらにはその画像に対する人間の反応までをデータセットの中から探し出して比較し、適切と思われる回答を生成しているにすぎないとのことだ。
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