IT企業が踊り出す“ビッグデータ”狂騒曲 顧客企業はまだ様子見 個人情報など課題山積

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加えて、個人情報の問題がある。「個人情報保護の観点からビッグデータの活用をリスクとして考え、消極的になる企業も多い」(野村総研の鈴木氏)。ビッグデータを推し進める富士通ですら、「個人情報はセンシティブな問題。行政と話し合いながら進めていく」(同社コンバージェンスサービスビジネスグループ戦略企画統括部の小林午郎統括部長)として、ブログや携帯電話のGPSなどライフログの活用には慎重だ。

スマートフォンのアプリの中には、インストールする際に端末ID、電話番号などの個人情報と一緒に、アプリ一覧や使用履歴などを広告会社に送信しているものもある。利用者の思いも寄らないところで個人情報が集められているため、企業は冷静にメリットとリスクを見極めて、取り組む必要がある。

振り返れば、ネットワーク・コンピューティングがASP、SaaSと概念を変化させ、クラウドとして花開くまで10年以上かかった。ビッグデータは技術開発も活用も始まったばかり。いかに市場を立ち上げるか、IT企業の課題は少なくない。

(島田知穂 =週刊東洋経済2012年2月18日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

※1ページ目の写真は伊藤忠テクノソリューションズ提供

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