日本で「子を産みたくない」女子たちが語れない訳 「産まない側」の女性たちが感じている孤独

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(写真:ABC/PIXTA)
世の中には2通りの人しかいない。「子のある人」と「子のない人」。が、子がある理由も、ない理由もさまざまなのにもかかわらず、それについて互いに感想でも疑問でも意見でもざっくばらんに語らうことはない。いや、しないほうがいいのかもしれない。
どんな生き方を選ぼうと、どこにたどり着いていようと、それぞれの選択やあり方は尊重されていいはず。本連載では阿古真理氏が多様な角度から「産む・産まない」「持つ・持たない」論に迫る。第3回は『母にはなれないかもしれない 産まない女のシスターフッド』著者であり、ライターとして「産まない側」の発信を続けている若林理央さん。

「産まない選択」がタブーになりつつある

若林さんは、今の日本で「産まない選択」がタブーになりつつあると考えている。

根拠の1つは、昨年12月17日に放送された『クローズアップ現代』「『子どもがいない』が言えない」についてXの投稿をたどっていったときに、「周囲に産まないと言えずに孤独な人が多い。子どもが減っているのに産まないことを責められる、罪悪感を抱く人が多い」という発信をみつけたこと。

そしてもう1つは、2023年8月に「産まない選択」をテーマにオンラインイベントを開いた際も、「クローズドのイベントなのに、複数人集まったうち私以外全員が匿名で、半分以上の人が顔出ししなかった。彼女たちが罪悪感を抱き孤独なことが、切実に伝わってきました」。

若林さんは1984年生まれ。関西の中高一貫の女子校に通ったのち、神戸女学院大学に進学した。母は医師で、若林さんが1歳のときに離婚すると、自分に何かあっても娘が大学を卒業できるように貯金してくれたそうだ。

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