日本で「子を産みたくない」女子たちが語れない訳 「産まない側」の女性たちが感じている孤独

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20代の頃、職場で若林さんがキャリア志向という話をすれば、同僚女性から「定年まで働くの?」と驚かれたという。幼少の頃から、「子どものいない将来の自分」をイメージして育った。

小学校5年生の頃には、結婚もキャリアを積んで50歳ぐらいで、などと考えた。キャリア志向は、母の影響に加え子どもを産まない口実になる、と考えた側面もある。しかし、「子どもを産みたくない」と考える自分は、「普通」の仲間入りができない寂しさも感じていた。

周りが妊娠、出産をするようになると、妊娠中の女性が「同じ女性なのに、自分以外の命が体に宿ることを考えるだけで怖くなってしまう私とは違う人間になったような気がする」恐怖を覚える。

「将来後悔するよ」「少子化なのに」

産みたくないことを公言すると、「将来後悔するよ」「少子化なのに」「日本の将来を考えていないの」などと言われることがあった。「女性に生まれたからには、出産したいと思うのは普通」と言われたこともある。結婚をすると、「次は子どもだね」と言われた。

若林さん(写真:若林さん提供)

自身の親族からは「(産みたくないなんて)母性がないの?」と批判される体験をしてきた。元夫の親族からは「内孫」を求められたこともある。夫からは強く子どもを求められなかったが、結局離婚した。

ところが、33歳で排卵障害があると医師に告げられ、そもそも産めない可能性があると知った際は激しく動揺し、医師や周囲の友人に相談する。そのとき、「子どもが欲しいかもしれない」という若林さんを受け止める人たちは、笑顔になることに気づいた。

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