スバルの開発者によれば、これまでコーナリング時にショックアブソーバー全体がたわむ際、内部のシリンダーに外部から抵抗力が加わり、初期応答性が低下する傾向があったという。この点に対する改良の効果が、しっかりとわかるのだ。

具体的には、コーナーへの進入時、車体は斜め後方に前のめり(ノーズダイブ)しながら旋回していくが、そこからアクセルオンでノーズが上がっていく際の動きが、実にシャープ(鋭い)になっていると感じる。ここに、駆動モーターによる力強さが加わることで、コーナーをグイグイと曲がる動きとなっているのだ。
また、パドルシフトを使ってシフトダウンした際の“回生力の制御”が絶妙で、クルマ全体の動きの収まりがとても良く、実に心地良い。
こうした各所の改良によって、マイルドハイブリッドより約50kg重いことによる、ネガティブな印象は走行中にまったくない、見事な仕上がりとなっている。これぞ、スバルがいう“動的質感”だ。
スバル「シンメトリカルAWD」の独自感覚
そもそもスバル車が雪道で“よく曲がる”のは、当たり前だ。水平対向エンジンとシンメトリカルAWDの低重心が、そのベースとなるからだ。
そこに今回、体感したような“動的質感”が加わる。“動的質感”について、明確な定義はない。近年はデータによって裏打ちされるようになってきたが、スバル開発幹部は「歴代のスバル開発者の脈々と積み上げてきた、開発者の感性が作り上げるもの」という表現を使う。

FF(前輪駆動車)をベースとしたハイブリッド車の4輪駆動システムは、近年では後輪をモーターで駆動する方式が一般的だ。そこをスバルは、あえてプロペラシャフトを使って駆動力を伝える。
見方を変えると「プロペラシャフトがあることがスバルの走りの魅力」である。これは、スバルの最高技術責任者(CTO)で取締役専務執行役員の藤貫哲郎氏による表現だ。
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