トヨタ「ランドクルーザー」やスズキ「ジムニー」といったクロスカントリー車は、プロペラシャフトを使う。これらはベースがFR(後輪駆動)であり、かつラダーフレーム構造なので、乗り味や走り味は当然、スバル車とは違う。
つい先日も、新型「ランドクルーザー70」で都心から北上し、雪深い山形県月山や湯殿山を抜けて日本海側の庄内地方を巡る旅に出たが、スバルの4輪駆動システムとは走行感覚はまったく違う。また、現行ジムニーは過去に所有していた経験があるが、これも違うのは明らかだ。

技術要素としての違いというよりも、スバルがいう“動的質感”の独自性が強いのだと思う。ストロングハイブリッドによって、動的質感にさらなる磨きがかかったと言えよう。
そしてもうひとつ、ストロングハイブリッドの強みを伝えておきたい。それは燃費と、好燃費による使い勝手の良さだ。
カタログ値と“同等以上”で走れる燃費
クロストレック S:HEVのカタログ燃費は、WLTCモードで18.9km/L。詳しくいえば、市街地モードが15.4km/L、郊外モードが20.6km/L、そして高速モードが19.7km/Lだ。
開発者が先日、スバル開発本部がある群馬県太田市から東京オートサロンが行われる千葉県千葉市を含めた関東圏内で試走したところ、カタログ値とほぼ同等、またはそれ以上の燃費値が出たという。
これは、燃費と出力のバランスを徹底的に考慮した2.5Lエンジンそのものの燃費改善に加えて、前述の電子制御カップリングの効果も大きい。高速巡航時で一定の条件が整うと、後輪への駆動を切り、FF走行をして燃費をかせぐ仕組みだ。

しかし、4輪駆動が2輪駆動となっても、切り替わるタイミングを察知することはできない。長年スバルの4輪駆動技術に携わってきた人でも、走行中に気づくことはかなり難しいというほど、緻密に制御されているからだ。
今後、改めて機会を見つけて、クロストレック S:HEVの長距離走行を試してみたいものだ。クロストレック S:HEVは、ただ“ハイブリッド方式が変わっただけ”ではない、大きな魅力を備えていると思う。
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