わたし恋に落ちました、お菓子とコンビニに 「お菓子・コンビニオタク」の仕事道とは?

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同じ業種、職種以外の人の話を聞きにいくことを大切にしている

「自分の視点」を外れる。そのために、松林さんが目を向けるのは、ユーザーやコンビニ業界から少し離れた場所だ。最近、社内の人脈を使って会いに行ったのは、あるトイレタリーメーカーの人だという。

「お菓子にヘルシーさを追求していくと、どうしても『その材料で本当に美味しいの?』とか『見た目が地味だよね』などといったユーザーの先入観との戦いになります。そんな先入観を打ち砕く、ぶっ飛んだネーミングやパッケージのヒントを探りに行きました。同じ業種、職種以外の人の話を聞きにいくことは、私がいつも大切にしている仕事のひとつです」

「好きなことを学び続けるって幸せ」

好きなことを極めるために、それ以外の部分に目を向ける。逆説的で遠回りにも見えるやり方こそ、松林さんの「オタク道」だ。

「単純に、自分の好きなことを学び続けるってすごく幸せですよね。私の場合、さらに周りの人にもその魅力を伝えることでもっと幸せになれるんです。だからこそ、ユーザーとして、売り手としての両方から、お菓子とコンビニの魅力を広げていける今の立場はとにかく幸せ」

これからも、進化を続けるお菓子やコンビニと一緒に成長していきたいと話す松林さん。彼女が愛をこめて開発した商品たちは、今日も街角で人々を笑顔にしている。 

【お菓子ラブ・ポイント】「食べなくたって生きていけるけど、どんな食べ物よりも楽しいのがお菓子。一口食べれば『もうちょっと頑張ろう』と思えるし、疲れている誰かにもあげたくなる。コミュニケーションツールとして優秀なところも魅力です」 写真右は9月8日に発売した『マクロビ素材のメープルビスケット』。白砂糖や卵由来、乳由来の材料を使わず、古代小麦で作ったオリジナルレシピだ。「ロングセラーのお菓子だって、今の時代に合わせて進化させることも必要なんです」(松林さん)

取材・文/朝倉真弓 撮影/赤松洋太

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『Woman type』編集部

「Woman type」は、キャリアデザインセンターが運営する情報サイト。「キャリア」と「食」をテーマに、働く女性の“これから”をもっと楽しくするための毎日のちょっとしたチャレンジをプロデュースしている。

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