ファーウェイ驚愕の三つ折りスマホで復活の狼煙 制裁を技術で突破、グローバル市場へ本格復帰の第一歩

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それでもスマートウォッチやワイヤレスイヤホンなど、制裁の影響の少ない製品開発は地道に進めていった。また、SoCの開発の手は緩めず、中国のSMIC(中芯国際集成電路製造)社と共に国産化を果たした。

2023年秋には、ついにSMIC製造のSoCを搭載した「Mate 60」シリーズのスマートフォンを発売、中国では同時期に発売されたアップルの「iPhone 15」シリーズを販売不振にさせたほどだ。

技術力で困難を乗り越える

ファーウェイはスマートフォンを動かすオペレーティングシステム(OS)も脱グーグルを図り自社開発を行った。アメリカ政府による包囲網を潜り抜けるために、その抜け道を探すのではなく、真っ向から技術力で立ち向かったのだ。その集大成ともいえる製品が今回発表されたMate XT Ultimate Designである。

グローバル向け発表会をクアラルンプールで開催(筆者撮影)

本来、折り曲げることのできないスマートフォンの画面を折り重なるようにたたむことができる「折りたたみスマートフォン」は、数年前までは夢の製品と考えられていた。それが今ではサムスンやグーグル、モトローラなど多くのメーカーが製品化している。

グローバル市場で見ると大手企業で折りたたみスマートフォンを製品化していないのはアップルだけだ。現在市販されている折りたたみスマートフォンは、画面を縦向き、あるいは横向きにたたむことができる。「開くか、閉じるか」という二つ折りタイプの画面を搭載している。

ファーウェイはこの二つ折りスマートフォンでも実は先駆者だ。2019年2月にサムスンが大手メーカーとして世界初の折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」を発表するや、その2日後に「Mate X」を公開した。スマートフォンの世界シェアで1位2位を争う両者が、次世代モデルとして同時期に折りたたみモデルを市場に投入したのだ。両者は毎年、折りたたみスマートフォンの新製品を投入することで技術力の高さを競っていた。

初代の製品登場から4年後になる2023年3月、この競争でファーウェイが大きくサムスンを引き離した。新製品「Mate X3」は折りたたみスマートフォンでありながら、重量は「iPhone 14 Pro Max」より1g軽い239gを実現。折りたたんだときの厚さも11.1mmと薄く、「折りたたみスマホは分厚くて重い」という概念を消し去った。

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