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ファーウェイ驚愕の三つ折りスマホで復活の狼煙 制裁を技術で突破、グローバル市場へ本格復帰の第一歩

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  • 山根 康宏 携帯電話研究家・ジャーナリスト
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ファーウェイのこの新製品は、ほかのメーカーにも大きなショックを与え、各社は折りたたみスマートフォンの高性能化を図るだけではなく、「より薄く、より軽く」と本体サイズの薄型軽量化に注力していった。サムスン電子が2024年10月に対抗したモデルを出すなど、折りたたみスマートフォン市場は混沌とした競争が繰り広げられている。

三つ折りでトップの座を確固たるものに

大手調査会社のカウンターポイントによると、2024年第1四半期の世界の折りたたみスマートフォン市場で、ファーウェイがサムスンを抜いて1位となった。Mate X3の後継モデルなどが好調なこともあり、特に中国国内で販売台数を大きく伸ばしている。

もちろん、他社もファーウェイに対して追従の手を緩めておらず、OPPOは今年2月18日に世界最薄・最軽量の折りたたみモデル「Find N5」を発表するなど、技術革新の動きは加速化している。

この過熱する折りたたみスマートフォンの開発競争の中で、ファーウェイは他社に先駆け、三つ折りモデルを製品化した。画面を「Z」字型に折りたたむ構造は、ヒンジ部分の画面収縮の処理やヒンジの小型化など高い技術が必要だ。

ここ1〜2年の間にサムスンディスプレイ社などディスプレイメーカーが試作品を公開しているが、スマートフォンとして世に送りだした例はない。ファーウェイは中国のディスプレイメーカー、BOE社と協業してこの難問に取り組み、スマートフォンの歴史の1ページに残る製品を商用化したのである。

ただし、三つ折りスマートフォンは誰もが使う一般的な製品ではない。価格が高価であり、クアラルンプールで行われた発表会では3499ユーロ、約55万6000円とアナウンスされた。また、ヒンジを2つ持つ構造のため、一般的なスマートフォンより落下などに対する強度も弱い。製造コストが高いだけではなく、修理時のパーツコストも高いものになる。

三つ折りスマホは販売価格・修理コストどちらも高い(筆者撮影)

とはいえ、目の前で普通のスマートフォンが横に開き、さらにもう1枚Z字型に開く様を見れば、この製品がタダモノではないことは誰にでもわかる。

そして、完全に開いた状態では一般的なタブレットと同じ大きさ(10.2インチ)になるため、スプレッドシートやプレゼン資料を開いたり、あるいは大きなキャンバスにペンを使って快適に文字やイラストを手書きすることもできる。三つ折りスマートフォンはそのメーカーの知名度や技術力の高さを誇示するだけでなく、実用性も高いのである。

ファーウェイは、前述したMate 60シリーズの後も続々とスマートフォンの新製品を出しており、グローバル市場ではまだ販売数は伸びていないものの、中国国内ではすでにアップルを抜いて2位になった(2024年、IDC調査)。

同社のラインナップに新たに加わるMate XT Ultimate Designは、多くの人に「ファーウェイ」の名を再び思い出させるものになり、世界各国でファーウェイ製品の販売台数増を後押しするものになるだろう。スマートフォン市場でファーウェイは着実に復活の道を上り始めている。

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