5G、通信量急増で2029年にも限界へ。新周波数"7GHz帯"は、6G時代に向け実用性を示せるか
スマートフォンで動画を見たり、SNSに写真を投稿したりする。こうした日常的な行為を支えているのが、目に見えない「電波」だ。携帯電話の通信は、基地局と端末の間で電波をやり取りすることで成り立っている。
電波には「周波数」という性質がある。周波数とは、電波が1秒間に振動する回数のことで、単位はHz(ヘルツ)を使う。ラジオのAM放送とFM放送で周波数帯が異なるように、携帯電話も特定の周波数帯を使って通信している。
周波数帯によって電波の届き方は大きく異なる。低い周波数は遠くまで届きやすく、建物の中にも入り込みやすい。一方、高い周波数は届く距離は短いが、一度に大量のデータを送れるという特徴がある。高速道路に例えれば、低い周波数は片側1車線の道路が遠くまで延びているイメージで、高い周波数は片側4車線の道路が短く延びているイメージだ。
4Gから5Gへの進化では、「ミリ波」と呼ばれる28GHz帯という高い周波数が新たに使われるようになった。しかしミリ波は障害物に弱く、エリアを広げにくいという課題を抱えている。そこで次の6Gでは、5Gで使われている周波数とミリ波の「中間」にあたる7GHz帯が世界的に注目を集めている。ミリ波と区別する形で「センチメートル波」とも呼ばれる帯域だ。
2029年には5Gが限界に達する
なぜ今、新しい周波数帯が必要なのか。
11月19日、ソフトバンクは東京・竹芝で報道関係者向けイベント「ギジュツノチカラ センチ波編」を開催した。6G向け周波数として検討されている7GHz帯の屋外実証実験について説明し、実際に銀座エリアでのデモンストレーションを行った。
イベントに登壇したノキアソリューションズ&ネットワークスの高岡晴生・技術戦略本部長は、トラフィック増加の見通しを示した。ノキアのベル研究所の分析によると、世界のネットワークトラフィックは2024年から2034年にかけて5〜9倍に増加する見込みだという。



















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