10年前にエヌビディア株を買えた「最強の投資術」 "Win95の父"が説くメタトレンド分析の威力

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それまで数十年にわたり、「ニューラルネットワーク」と呼ばれる機械学習の手法は「使いものにならない」と考えられていました。いくら理論上はすばらしくても、計算リソースやデータ、アルゴリズムが未熟で、実社会で役立つレベルにまで達していなかったのです。

ところが、その常識を一変させた事件が起こります。

それが、トロント大学の研究チームによって開発された「AlexNet(アレックスネット)」と呼ばれるAIモデルの登場です。

AlexNetは「とにかく大量の画像を見せるだけ」で、自動で特徴を学びとり、高精度な画像分類を可能にしたのです。それまではといえば、人が「犬の耳」「鼻」などといった画像の特徴を事前に細かく定義しなければならなかったので、これは大きな進展です。

そして、AlexNetは、画像認識分野で世界的に有名なコンペティション「ILSVRC」において、他のモデルを寄せ付けないほど圧倒的な性能を示しました。

歴史的な快挙を支えたNVIDIAの半導体

この出来事はAIの歴史的な転換点になりました。AlexNetの成功によって、ニューラルネットワークが「理論上だけでなく実際に役に立つ」ことが証明されたからです。

そして「AIはついに本当に使えるものになった」「これからはAIが本格的にビジネスや産業に応用できる時代が来る」という確信が、世界中のAI研究者たちの間で一気に広がりました。

このAlexNetの歴史的な快挙を支えていたのが、NVIDIAの半導体だったのです。ニューラルネットワークをうまく動かすには、膨大な計算資源が必要です。以前はIntel製のCPU(中央処理装置)を使い、人間が一行一行コードを書き込むようなやり方でしたが、それではどう考えても非効率的。このやり方では膨大な処理を短時間でこなすことは困難です。

そこで注目されたのが、もともとゲーム用グラフィックス処理向けだったNVIDIA製GPUです。GPUには画像処理をはじめとして、大量の演算処理を並列でこなす能力があり、これがディープラーニングと抜群に相性が良かったのです。AlexNetはGPUを活用することで、従来は不可能だった精度向上を達成しました。

ここまで読むと「そんな専門的な話、一般人には知る由もない」と思われるかもしれません。

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