10年前にエヌビディア株を買えた「最強の投資術」 "Win95の父"が説くメタトレンド分析の威力

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
中島聡(なかじま・さとし)/1960年北海道生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。マイクロソフトでソフトウェア・アーキテクトとしてWindows95などの基本設計を手がける。2000年にXevo(旧UIEvolution)を創業。2019年に同社を3億2000万ドルで売却。現在はさまざまなソフトウェア開発を行っている(写真:徳間書店提供)
株式投資の世界で主流となっている2つの投資分析手法に「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」があります。しかし、そのどちらを使ってもエヌビディアのように株価が大きく上がる銘柄を見つけることはできないと説く個人投資家がいます。マイクロソフトで「Windows95」などの基本設計を手がけた“伝説のプログラマー”、中島聡さんです。中島さんの著書『メタトレンド投資 10倍株・100倍株の見つけ方』から一部抜粋・再構成のうえ、第3の投資分析手法を紹介します。

「メタトレンド」とは何か

テクニカル分析やファンダメンタルズ分析、さらには世界中の一流アナリストや投資ファンドが総力を挙げても、短期的な価格の動きを正確に予測し続けることは事実上、不可能です。

私はまず「短期的な株価は誰にも読めない」という事実を受け入れることが、メタトレンド投資をはじめるうえでの重要な出発点だと考えています。

ここでいう「短期的」とは、数日から数か月程度のスパンを指します。では、もう少し長い時間軸で世の中の変化や動きを俯瞰する「マクロ」なトレンドであれば、多少なりとも読みやすくなるのでしょうか。

マクロトレンドとは、世界経済全体や特定の地域経済に広く影響する、大きな潮流を意味します。例えば、好景気と不景気が交互に訪れる景気サイクル、インフレ率の上昇や下落、中央銀行による利上げや利下げ、為替レートの変動、さらに戦争や地政学的リスクの高まりなどが挙げられます。これらは個々の企業の業績などの「マイクロ」なトレンドとは対極にある存在です。

しかし、このマクロトレンドですら、その先行きを正確に読み切ることはきわめて難しいのです。例えば、世界経済に大きな影響を与えるアメリカの金融政策は市場関係者の多くが注目し、「比較的予想しやすい」と思われる要因です。しかし実際には、その政策変更のタイミングや影響の大きさについて専門家の間でも意見が分かれ、よく誤算が生じます。2022年のアメリカの急激な利上げはその典型例です。この利上げは世界的な株価下落、急激なドル高円安を招き、多くの市場参加者の予測を裏切りました。

あまりに多くの要因が複雑に絡み合い、その結果が市場心理や株価、為替、経済活動にどう反映されるかを完璧に予測できる人はいないのです。

そこで注目したいのが「メタトレンド」という新たな視点です。メタトレンドとは、マクロトレンドよりさらに長期的な潮流です。

次ページもっとわかりやすく説明すると…
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事