税制改正で「不動産小口化商品」に迫る冬の時代/節税効果が大きく薄れて不動産市場に冷や水も
「販売はいったん止めている。今後どうなるのか、まったく先が見えない」
都内の不動産会社幹部がそう吐露するのは、2025年12月26日に発表された「令和8年度与党税制改正大綱」の内容を受けてものだ。150ページにわたる大綱の中に、不動産業界が看過できない項目が盛り込まれた。相続や贈与に際して、現状は取得価額の2~3割程度まで下げられる不動産の課税評価額を、一気に引き上げる内容だ。
関係者が驚いたのは、現物不動産だけでなく、クラウドファンディングの一種である「小口化商品」も含まれたことだ。その衝撃は大きく、大綱公表直後には小口化商品を扱う上場企業が相次いでリリースを公表。拡大の一途をたどっていた小口化市場は、一転して「冬の時代」を迎えるのか。

過度な節税対策に「待った」
小口化商品とは、不動産の持ち分を1口500万円程度に分割し、複数の投資家が共同出資する形態を指す。任意組合型や信託型など複数のスキームがあるが、いずれも現物不動産と同様に評価額を圧縮できる。
古くは1980年代に大手不動産会社がこぞって組成したが、近年は新興不動産会社や金融機関も注力。現物と比べて出資額を柔軟に変えられるうえ、遺産分割も容易とあって富裕層からの引き合いが強まっていった。
国土交通省の統計によれば、任意組合型の出資額は24年に718億円に上る。昨今増加する信託型も合わせると1000億円を超えると見られる。



















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