スカイマーク退任会長が明かす「失敗の本質」

井手会長に聞く、スカイ17年の軌跡<後編>

「航空券の予約システムに関しても、西久保さんが作った既存のスカイマークのシステムを変えず、独立性を担保する。その前提でANAとはコードシェアの交渉をしている。

ANAが出資するほかの新規航空会社はもともと自社のシステムを持っていないので、ANAのシステムを使えばコストは抑えられる。だが、われわれは自社システムがあるので、他社のものを使うとなると、逆にコストを上げてしまう」

西久保氏とは今も連絡を取り合っている

井手隆司(いで・たかし)●西南学院大学卒。キャセイパシフィック航空、ブリティッシュ・エアウェイズを経て、1998年にスカイマーク社長に就任。2003年に西久保愼一氏が社長に就いて以降は副会長、会長として整備や運航を指揮(撮影:大澤誠)

新体制への移行と同時に、井手氏はスカイマークを去る。山あり谷ありだった17年が、まもなく幕を閉じようとしている。

「今後のことは何も考えていない。最後の最後まで債権者を回って、今後のビジネスの継続をお願いしている。最後は9月25日のロールスロイスだったかな。退任後を考える余裕もなく、今日まで来ている。今後じっくり考えたい。

西久保さんとは連絡を取り合っているし、定期的に会っている。彼は“相棒”だった。今でも仲のいい友人。多くの人が西久保さんは強引だというが、すごく慎重派。僕から言わせれば、繊細で芸術家タイプだ。

それだけに斬新な発想が出てくるし、1つのことに対していろいろな工夫をしていく。僕に足りないものを埋めてくれていた。ただ、ビジネスに関しては、お互い必ず納得しないと前に進めなかった。1人でも反対すれば止めるのが基本方針だった。

彼はスカイマークを去った後も事業意欲があった。『一緒にやらないか』と誘いも受けたが、僕は『もうやめなさい』と伝えた。『残り少ない人生だから、自由に暮らした方がいい』と。彼とは仕事はせずに、友人関係でいたほうが長続きするだろうなと思う」

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