サム・アルトマンが描く「知能コストゼロ」の未来 ソフトバンクとAI事業開発へ

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アルトマン氏は「現時点では科学・技術・工学・数学分野での活用が進んでいるが、将来的には芸術や哲学、創造的な分野にも影響を与えることができる」としながら、そのためのコストをゼロに近づけることが、AI開発者としての使命だと話した。

”知能コストゼロ”への道

「AIを可能な限り多くの人に届ける。それが我々の目指すゴールだ」

アルトマン氏は、このフレーズを何度も繰り返した。しかし、遠い理想とは感じていないようだ。

現在の大規模言語モデル(LLM)は大量のデータと計算リソースを必要とする。

アルトマン氏へのインタビューでは、次のような話が出ていた。

「GPT-3からGPT-4への進化は世界に驚きを与えましたが、GPT-4からGPT-5への進化も同様の飛躍となります。現在、われわれが開発しているモデルはGPT-4.5と言えるものです。数字が1上がるごとに、必要な計算量は100倍になってきていたので、GPT-5.5の頃には現在の100倍の計算能力が必要になります」

研究中の次世代モデルは驚くもので、彼は「GPT-5か6の頃には”もう十分。すでに私より賢い”と言えるようになる」と、今後控えているアップデートに言及した。

一方で、AIの知識をどのように使いこなしていくのか。エージェントを充実させていくことになる。”十分な知能の閾値に達した後”は、「さまざまなAI機能を統合し、シームレスに使いこなせるように整えていくことが、次の大きなマイルストーンになる」という。

つまり、ある時点で知識の閾値に達する。そしてそのタイミングとは、どうやら現在の100倍の計算能力が必要なGPT-5.5世代にあるようだ。

言い換えれば、この先の必要な計算能力上昇は穏やかになる。

また、より賢くAIを使いこなすための”mini”モデルの開発も進んでいる。OpenAIだけではなく、ライバルも含めて実用性の高いコンパクトなAIモデルの研究が進んだ。最近、ChatGPTに実装されたo3-miniを使ってみれば、その価値が理解できるだろう。

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