サム・アルトマンが描く「知能コストゼロ」の未来 ソフトバンクとAI事業開発へ

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OpenAI Builder Labでの対話
左がOpenAIのCPO、ケビン・ウェイル氏(筆者撮影)

午前8時半から東京大学・本郷キャンパスでスタンバイしていた筆者は、巨大プロジェクト発表前の時間を共有しながら、最後に15分ほど小グループでのインタビュー取材を行うことができたが、学生やエンジニアと交流するアルトマン氏の素顔は、午後の発表会から見えるものとは少し異なって見えた。

”事業としてのAI”サービスを成立させるには、資金調達や巨大な資金とデータ、事業ノウハウを持つ大企業の協力が必要で、そのためには投資に見合う成果が挙げられることを説得できなければならない。

一方で彼らにはAGI(汎用人工知能)を作り上げ、それをすべての人類が共有し、社会全体を大きく前進させたい意図がある。

ビジネス面で大きなトピックとなっているのが前者であることは間違いないが、取材を通じて感じたのは、アルトマン氏の最優先事項は”人類が前進するためのAI”をステップを踏みながら作り上げること。そして、それを可能な限り無料に近い形で提供することだ。

言葉では何度も耳にしているかもしれないが、その理想が彼を突き動かす原点なのだ。

しかし、理想を追求するためには、事業としてのAIを推進していく必要がある。相反するようにも思える2つのコンセプトを、矛盾することなく同時に前に進めようとしているのがアルトマン氏だ。

”事業としてのAI”を日本発で世界に広める

SBGとOpenAIが半分ずつを出資するSB OpenAI Japanは、日本市場に特化した企業向けAIソリューションの開発・提供を目的としたものだ。企業向けAI「クリスタル・インテリジェンス(Cristal Intelligence)」を軸に、各企業が保有するシステムやデータを安全に統合し、個々のニーズに合わせたカスタマイズ型のAIエージェントを提供する。

もちろん、その背景に使われるコアのAI技術はOpenAIが開発しているものだ。

企業内の業務プロセスを自動化・効率化し、例えばソースコードやデータベースの管理、最新プログラミング言語への移行作業、さらには会議や顧客対応、コールセンター業務など、さまざまな業務の自律運用が可能になる。

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