自動運転は大都市の「公共交通」どう変えるのか 人手不足が深刻化する2027年までにレベル4実装を目指す

1月27日の開通式には福田紀彦市長のほか国土交通省や経済産業省、関係事業者の代表らが参加した(筆者撮影)
都県をまたぐルートに挑戦
今回の最大の特徴は、神奈川県と東京都をまたぐ約4.4kmのルートにある。神奈川県側の京急大師橋駅から多摩川スカイブリッジを渡り、東京都大田区の天空橋駅をつなぐ。

2022年に開通した多摩川スカイブリッジが実証運行ルートに選ばれた(筆者撮影)
2022年3月に開通したこの橋によって、川崎臨海部と羽田空港の物理的距離は大きく縮まった。すでに川崎鶴見臨港バスの路線が天空橋駅を経由して大師橋駅~羽田空港の間で運行されているが、実証実験ではその一部のルートを運行することになる。

実証実験のルート。都県またぎのルートは自動運転バスの実証実験としては全国初となる(筆者撮影)
この臨海エリアにはENEOSやJFEスチールなどの製造業施設が集積し、近年はライフサイエンスや環境分野の研究開発拠点「キングスカイフロント」も加わった。
町が発展するなか、バス路線の不足や道路混雑による定時性の低下などが課題となっている。国際空港との往来の利便性が産業振興や研究開発の活性化に直結するため、新たな交通手段として自動運転バスへの期待が高まっているのだ。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ビジネスの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら