自動運転は大都市の「公共交通」どう変えるのか 人手不足が深刻化する2027年までにレベル4実装を目指す

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川崎駅前を通るルート
2024年度は手動運転での調査走行のみだが、川崎駅前を通るルートも運行する(筆者撮影)

試乗でわかった課題

使用車両はティアフォー社製の最新型EVバス「Minibus 2.0」。車体は全長7.2メートル、全幅2.3メートルのマイクロバスサイズだが、自動運転システムを搭載するため全高は3メートルを超え、後部には専用コンピューターを収めるスペースが設けられている。

Minibus 2.0
ティアフォー製の「Minibus 2.0」、ベース車体は中国BYDが製造するEVだ(筆者撮影)

車体四方に搭載された長距離・短距離LiDARやミリ波レーダー、複数のカメラを組み合わせる「センサーフュージョン」によって、夜間や雨天でも安定した認識能力を発揮できる。航続距離は満充電で約200km、18%の勾配まで走行可能とされており、スカイブリッジの勾配にも十分対応できる設計だ。

Minibus 2.0
LiDARやカメラなど障害物を検知するための設備を備える(筆者撮影)

実際の試乗では、今回はレベル2自動運転、つまり常時ドライバーによる監視が必要な限定条件下での自動運転となるため、運転席にセーフティドライバーが常時乗車していた。

3車線道路への右折自体は問題ないが、カットインしてくる大型車両に対して揺れが生じるような自動ブレーキが制動する場面もあった。

運転手
2024年度はセーフティドライバーが搭乗するレベル2自動運転で運行される(川崎市提供)

大田区側のスカイブリッジ入り口にある交差点では信号連携が確立されておらず、ほぼ毎回手動での介入が必要になるという。これは「信号のジレンマゾーン」と呼ばれる状況で、青信号中に対向車線をまたぐ右折が難しい場合、自動運転システムは安全側に振れ、結果として右折できなくなる傾向があるためだ。

さらに、路上駐車を厳密に避けようとすると対向車線にはみ出せず、手動介入が必要となるという課題もあるようだ。

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