この食品添加物扱いの「ポストハーベスト」も、最初は使用が柑橘類に限られていたのですが、どんどん範囲が広まって、いまやスモモ、アンズ、黄桃にも使える「ピリメタニル」や「フルジオキソニル」
「なんでそんなことになっているのか」と思われるかもしれません。
これらはもちろん、日本において「輸入農産物の市場を開放せよ」という外圧に抵抗しきれなかったことがひとつあります。
もうひとつはニーズの問題です。
「季節を問わず1年中、安いオレンジやグレープフルーツが食べたい」という消費者の要求に応えるためには、薬を塗って地球の裏側から持ってくるしかないわけです。
「安さ、便利さ」と「何」を引き換えにするのか
もしポストハーベストを避けたいというのであれば、国産品を買うか、輸入品であってもポストハーベスト不使用のものを選ぶしかありません。「有機JAS認証」を受けたものを選べば安全性はより高くなります。
とはいえ、国産品の農作物には旬がありますから、1年中買えるわけではありません。まだ野菜はビニールハウス栽培などで1年中手に入りやすいけれど、果物はなかなか難しい。
輸入のオレンジは1年中安く売られているけれど、温州みかんは秋から冬の間しか売られていません。
私がよく言う「『安さ』『便利』さと『何』を引き換えにするのか」という話です。
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