DeNAがグリーに報復提訴、両者間で3度目の訴訟へ
ソーシャルゲーム「モバゲー」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)は1月31日、グリーおよび同社の田中良和社長に対し、不法行為等に基づく損害賠償及び謝罪文の掲載等を請求する訴訟を東京地裁に起こした。訴訟額は明らかにしていない。
DeNA、グリー、両者間の訴訟は3度目となる。DeNAによる、グリーへの提訴は初めて。
1度目の訴訟は、2009年9月だ。グリーがDeNAと共同製作会社のORSOに対し、グリーが所有するソーシャルゲーム「釣り★スタ」の著作権を侵害しているとして、DeNAに対し「釣りゲータウン2」の配信行為の差し止め、損害賠償、謝罪広告の掲載に関する請求を行った。2度目は11年11月。DeNAが公正取引委員会から受けた排除措置命令が同年8月に確定したことを受け、グリーは法的措置を講じないことは、株主に対する経営陣の責任遂行という点で問題があるなどと判断。第二位株主であるKDDIと共同で、不法行為に基づく損害賠償請求を行った。
今回のDeNAの訴訟は、2度目のグリーによる訴訟を受けたものだ。2度目の訴訟を提起する際、グリーが開いた記者会見やその他の場で、田中社長は「排除措置命令確定後も、DeNAによる妨害の範囲は、ソーシャルゲーム提供会社のみならず、サーバー会社や決済会社、広告代理店などへむしろ拡大していると聞く」と複数回発言。
2度目の訴訟を受けて発表されたプレスリリースでも、「DeNAは、昨年(=10年)12月、上記違法行為(=独占禁止法第19条違反)を取りやめる方針を示しながら、その一方で、それ以後もモバゲーでゲームを提供しているソーシャルゲーム提供事業者がグリーでもゲームを提供しようとすると、これを妨害していると思われる」と述べている。