「認知症予備軍」早期発見する重要な"8つのサイン" 「物忘れ」「料理の味が変わった」に要注意
MCIの予防・改善で最も効果的なのは、生活習慣病の予防・改善です。生活習慣病とは言わずもがな、食事や運動などの生活習慣を起因とした病気の総称で、糖尿病や高血圧、肥満、脳卒中、脳梗塞、脂質異常症などが具体的な疾患として挙げられます。
これらは認知症とも深くかかわっており、例えば糖尿病はアルツハイマー型認知症のリスクが2.1倍になるとも。中年期に高血圧の方は高齢期にアルツハイマー型認知症や血管性認知症になりやすいとも言われています。
多くの研究では中年期で肥満の方ほど認知症になりやすいことが報告されており、太らないことは認知症予防策の1つです。脳卒中の後は認知機能低下や認知症を発症するリスクが高く、中年期の総コレステロールが高いと、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高くなるとこも明らかになっています。
40代から対策するのがおすすめ
このように、生活習慣病の予防・改善が認知症は言うまでもなく、MCI予防にも好影響を及ぼすのです。高齢期を迎えてからでは大変なので、遅くとも40代から対策を始めることをおすすめします。
例えば、高齢者を対象とした調査では、週3回・週2時間以上といった定期的な運動は認知症リスクを抑え、反対に認知症になった方の13%は運動不足が関連されているとされています。定期的な運動をしている人とそうでない人が5年後に認知症になる原因を調査したところ、前者は後者より認知症リスクが31%低いことも示されています。
ここで言う運動とはウォーキングなどを指しますが、早歩きなどよりハードな運動を週3回以上継続している方は、運動習慣がない方に比べて50%も認知症になりにくく、散歩程度の運動でも週3回以上続けていると、運動習慣がない人に比べて33%認知症になりにくいことがわかっています。MCIの高齢者に対する有酸素運動や身体活動を促進した研究でも、実行機能や言語、処理速度などの機能向上に効果が見られました。
なお、運動中に計算したり、しりとりをしたりするなど脳に負荷をかけると、より効果的だとされているようです。このように、運動課題・認知課題を同時の行い心身の機能を高めるトレーニングを「コグニサイズ」と呼びます。
社会活動への参加もMCIや認知症の予防に有効とされています。退職時の年齢が1歳高くなるごとに認知症リスクは3%下がると言われ、地域コミュニティへの参加も生活機能低下に歯止めをかけます。読書やパズル、楽器の演奏といった手先や頭を使う活動、ボランティアへ参加してもよいでしょう。
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