「脱サラしたプロ棋士」1年半で見た"棋界のリアル" 小山怜央四段が直面した、厳しさと凄みの日々

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小山怜央
棋士養成機関である奨励会を経ずに、戦後初めて編入試験でプロデビューした小山怜央四段(筆者撮影)

小山怜央四段の日常は、午前9時頃に目覚めるところから始まる。一息つくと、コップに水を注ぎ、カロリーメイトを1つかじった。会社員時代には職場で仕事に取りかかっていた時間だが、今はのんびりとした朝だ。

将棋のプロ公式戦の対局は、月に1人当たり平均で3〜4局ほど。それ以外のスケジュールはすべて自由に使える。

「棋士になって一番変わったことは、時間が異常にできたことですね」

【写真を見る】対局中とは別人のような「小山怜央四段の素顔」(7枚)

「異色の棋士」としてデビューするまで

大学卒業後、システムエンジニアとして企業に勤めてきた。月曜日から金曜日まで、朝7時に起きて片道1時間半の電車通勤。職場と自宅の往復で1日が終わり、好きな将棋も電車の中、携帯アプリで指すのがやっとだった。

27歳で「棋士編入試験」を目指して会社を辞めた。アマチュアが受験資格を得るまでのハードルは高く、2014年に制度化されてから小山の前に資格を得た者は5人しかいなかった。そのうち受験したものは3名で合格者は2人。

棋士のほとんどは養成機関の「奨励会」から誕生する。ただ、10代の早いうちに入会試験に受かっても、棋士になれるのは2割未満の狭き門だ。

編入試験の受験資格を得るには、まずアマチュアの全国大会で優勝するなどトップレベルの成績を上げることで、プロ公式戦への特別出場枠を得る。そこでプロを相手に規定の勝利数、勝率を残して、初めて受験申請ができる。

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野澤 亘伸 カメラマン/『師弟~棋士たち魂の伝承』著者

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のざわ ひろのぶ / Hironobu Nozawa

1968年栃木県生まれ。上智大学法学部法律学校卒業。1993年より写真週刊誌『FLASH』の専属カメラマンとして活動を開始。主に事件報道、スポーツ、芸能などを取材、撮影。同誌の年間スクープ賞を3度受賞。フリーとしてタレント写真集や雑誌表紙を多数撮影。小学生の頃からの将棋ファンで、著書『師弟 棋士たち魂の伝承』(2018年、光文社)と『少年時代に交わした二つの約束』(2019年、将棋世界)で第31回将棋ペンクラブ大賞を受賞した。ほかに海外取材をまとめた『この世界を知るための大事な質問』(2020年、宝島社)などがある。

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