2泊3日100万円プランが完売 「男性9割」の世界が激変《将棋イベント》に「女性客」が殺到する理由 「観る将」の凄い実態

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職業としての将棋棋士
将棋界では数年前から、大きく変わった現象があります。それはファン層の変貌です(写真:Fast&Slow/PIXTA)
令和6(2024)年6月の竜王戦、対泉正樹八段戦を最後に、50年の現役生活を終え、引退した青野照市氏。将棋界の最高峰のリーグである順位戦A級を通算11期務めた一流の棋士ですが、中学卒業後すぐに将棋会館に住み込んで「塾生」として将棋界に入り、長じては日本将棋連盟の理事を何度も務めた、将棋界の内側を最もよく知る人物の一人でもあります。
将棋界ついて青野氏は、「どんな世界にも明と暗があり、外部の方は知らないことだらけの裏事情もある。そして将棋界には、奇人・変人というべき棋士が多かった」と明かします。
同氏の新著『職業としての将棋棋士』より一部抜粋し再構成のうえ、ファン層の変貌についてお届けします。
前回:『2位と1億円以上の差「藤井氏の凄み」棋士の懐事情

「観る将」の増加

将棋界では数年前から、大きく変わった現象がある。それはファン層の変貌である。

以前は将棋ファンと言えば、男性だけの世界だった。指す人は今でも男性がほとんどだが、タイトル戦の前日の前夜祭、そしてタイトルを獲得した後の就位式では、一気に女性ファンが増えてきた。

10年以上前からは、有料で一般客を募集するようになったこれらのイベントは、以前だとやはり男性が95%くらいで、女性は関係者だけだった。しかし今や反対に、女性が90%を超えるというのが、日常になってきた。それでも対局を解説する大盤解説会では、男女は大体半々なのだが。

最近は『観る将』という将棋ファンが、急速に増えている。つまり将棋は指さないけれど、観るだけのファン、特定の棋士のファン。そしてイベントにだけ行くという女性ファンが増えてきたのだ。

これは特に、藤井聡太七冠の活躍のお陰であることは確かである。しかし藤井以外の棋士も人気があって、むしろ気楽に話ができたり、一緒に写真が撮れたりするので、好きな棋士を目当てにイベントを追って旅するファンも増えている。

タイトル戦のイベントと言えば、平成28(2016)年の竜王戦、渡辺明竜王対丸山忠久九段の第1局が、本格的なイベントの始まりだったように思う。

私はこの時、棋戦担当の専務理事で、第1局を京都・天龍寺で行うために奔走していた。

天龍寺は昭和12(1937)年3月、伝説の名人と言われた阪田三吉が私の大師匠、花田長太郎八段と7日かけて戦った場所で、この竜王戦も長い交渉の末、実現したのだった。

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