中居騒動で露呈「日本的組織」の本質的な危うさ フジテレビ「事なかれ」批判は他人事ではない

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時系列的に見て、まず今回のような週刊誌の報道が発端となり、それに伴って騒動が次第に拡大し、大株主である米投資ファンドからの強い圧力や海外メディアへの波及が国内外で話題になる中で、ようやく重い腰を上げたのではないかと推測せざるをえないからだ。

アメリカの投資ファンド、ダルトン・インベストメンツの関連会社であるライジング・サン・マネジメントは、国内メディアが求めなかった説明を求める痛烈な書簡をフジ・メディアHDに送り、第三者委員会の設置を要求した(出所:ライジング・サン・マネジメントによるリリース)

仮にそうだとすれば、なぜこのような事態に発展するまで不祥事を不祥事と認識し、徹底した調査や抜本的な改善を進めることができなかったのか、事なかれ主義すぎないか、という気持ちになる。

多くの日本企業に共通する「事なかれ主義」

とはいえ、日本企業を見ていくと、このような疑問を抱く事例は少なくない。筆者が東洋経済オンラインに寄稿した記事「中居騒動でフジが露呈『日本的組織』の根深い問題 いかに内部が狂っていても外まで伝わらないワケ」には多くの声が寄せられたが、中には「うちの会社も……」といった共感の声が少なくなかった。

なぜ、日本企業は自浄作用を持たず、社内の不祥事に向き合うことができないのか。そこには、組織の目標に基づいた合理的な選択よりも、組織メンバー同士の「関係性」を優先する日本特有の事なかれ主義が強く作用していることが少なくない。

これは戦後、日本の敗因を研究する中で主張されてきたことであり、現在もなおビジネスの現場でよく目にする光景である。

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