フジ「CM停止ドミノで大赤字」が普通にあり得る訳 倒産は非現実的だが、営業利益率を考えると

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このトラブル自体は両者が認めるものだが、詳細な真相はわからない。さらにフジテレビの社員が積極的に関与したり、さらに過去から類似の関与を繰り返したりしたかはわからない。

疑念はあるものの、フジテレビはこれから第三者的な委員会を設置して調査するとした(※後に、「第三者委員会も選択肢」との報道が出ている)。

しかし、その記者会見は大いに批判をあびた。その記者会見が記者を限定した閉鎖的なものだった理由だけではない。どこかその会見は自主性がないように感じられたためだった。調査はすべて第三者的な委員会に委ね、自社が良かったか悪かったかは任せたい(大意)とした。

本来ならば、自社の倫理について線引きがあり、自ら定めたポリシーを信念として企業活動をしそうなものだ。

しかし、現状について、自らの判断はとくになく、偉い弁護士先生に調べてもらったら、現在の良し悪しが明らかになるだろう、というスタンスだった。

企業のCM出稿停止が相次ぐ

そこで多くの企業はCMを差し控えた。現在は自社のCMをACに置き換えている企業がある。スポンサー費用は返還されないだろうが、CMを流すことでのブランド毀損と天秤にかけたのだろう。CMを流して得られる便益よりも、CMを止めるメリットのほうを大きく見たのだ。

もしかすると次の契約更新時には、更新を控えるかもしれない。それはこれからのフジテレビの対応によるだろう。

なお、現在、フジテレビが倒産する、と断言する論者がいる。だが、私はそう思わない。企業は現金があれば倒産しない。また、フジテレビはフジ・メディア・ホールディングスの傘下の企業であり、フジテレビが不振に陥っても、金融機関等が助ける可能性が高い。

フジテレビ本社
ダルトンは書簡で「we are outraged!(われわれは激怒している)」と表明(右)。フジテレビは社長会見を開いたが、CMを当面差し止める企業が続出するなど取り巻く環境は一気に暗転した(左写真:今井康一撮影、右写真:編集部撮影)
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