我が子の成績伸ばす「家庭教師」見極めるポイント 塾やオンライン学習など…合うタイプは様々

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たとえば東大生と中堅大学の学生なら、東大生に家庭教師を頼んだほうが何でも知っていて、教えるのが上手そうな印象がありますよね。しかし、東大生の人は「これぐらい知っているだろう」「これぐらいできるのが当たり前だろう」という基準が高すぎて、レベルが合わない可能性があります。勉強そのものはできても、東大生が勉強を教えるのが上手いとは限らないのです。

経験豊富なプロのベテラン講師なら別ですが、学生に依頼する場合は、今の子どもの学力と大きくかけ離れた偏差値帯の大学生は避けたほうがいいかもしれません。もし勉強が非常に苦手な子の場合は、それこそ東大生よりも、同じような状況から一生懸命勉強した末に中堅大学に合格した学生のほうが、勉強が苦手な人の気持ちが理解できていい先生になってくれる可能性が高いでしょう。

教える側と教わる側の相性ががっちりかみ合ったときの爆発力は、家庭教師のケースがいちばん大きいと私は思っています。

ある公立中学校の生徒のエピソード

最近私がそれを実感した例が、高校受験まで残り半年の時点でほとんどの科目が中1以下の知識と学力しかなかった、ある公立中の生徒です。

その子は3年生の夏にバスケット部を引退するまで部活とゲームばかりやっていて、まったく勉強ができていませんでした。試しにテストしてみると、中1レベルの英単語もわからない、世界地図を見てもアメリカや中国がどこにあるかわからないといったレベルです。しかも、スマホにはゲームアプリが7つも入っていて、それらを遊ぶだけで1日が終わっているという状態でした。

ただ、その子は劇的に変わりました。私との相性が抜群だったからです。私も小学生の頃はバスケ部にいましたし、ゲームも大好きなので、趣味が合いました。また、私が地元の田舎の個別指導塾で働いていたときは、同じように中3で部活を引退してから初めて受験勉強に手をつけるような生徒がたくさんいて、そのような子の教え方を熟知していたので、「この先生なら大丈夫」と、信頼もすぐに得られました。

さらに、もともとその子は母子家庭で、経済的に余裕がない中で私に依頼が来たのですが、私自身も高校生のときに父が他界して以来、お金には苦労してきたので、同じつらさを分かち合うことができたのも大きなポイントでした。

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