弘兼憲史「スーパーのレジ待ち」すら楽しむ境地 「おもしろきこともなき世」も心持ちで変わる

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楽しいか、楽しくないかは、「気の持ちよう」で変わるという(写真:takeuchi masato/PIXTA)
マンガ『島耕作』シリーズの作者として知られる弘兼憲史さんの座右の銘は「人生、楽しまなきゃ損!」だそうです。そんな弘兼さんが、シニアライフは神様がくれたボーナストラックだと捉え、残された日々をエンジョイするために実践しているのはどんなことなのでしょうか。
弘兼さんの著書『楽しまなきゃ損だよ人生は』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

「おもしろき こともなき世を おもしろく」感じるために

僕の出身地、山口県(長州藩)が生んだ"幕末のヒーロー"高杉晋作の辞世とされる句があります。

おもしろき こともなき世を おもしろく

すみなすものは 心なりけり

「すみなすものは……」という下の句は、肺結核で病床についていた27歳の高杉が詠んだ上の句に、彼を看病していた女流歌人で、勤王家でもあった野村望東尼(ぼうとうに)が続けたものという説もあります。

解釈はいろいろありますが、上の句だけの意味は、「世の中には面白いことがほとんどないけれど、面白く生きよう」、あるいは「(俺が)面白くしてみせよう」。 

下の句も合わせると、「世の中を面白いと感じるか、面白くないと感じるかは、自分の心持ち次第である」と捉えることができます。

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