高金利でも米国経済の成長が続くと予想するワケ 2025年パウエルFRBの利下げは年何回あるのか

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また、サンフランシスコ連銀のエコノミストが作成したデータによって、同国の労働生産性を分析することができる。これを踏まえると、労働者の経験年数の増加やスキル向上などの要因が、2023年から労働生産性をさらに高める方向で作用しているとみられる。

「政策金利2%台まで低下」の可能性は極めて低い

1990年代後半の、いわゆるIT革命と呼ばれた時期には、新たなビジネスの盛り上がりとともに、情報通信技術の利用の広がりから、同国の労働生産性は3%前後まで高まった。

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2000年代半ばから労働生産性は低下したので「趨勢的な変化」ではなかったが、「産業構造が変わり、技術革新が起きる時期に、5年前後連続的に労働生産性が高まる可能性は相応にある」ということだ。

2023年以降の同国経済の予想外の成長には、移民が大きく増えたことも影響していたので、現時点で判断は難しい。ただ、トランプ2.0のもと、2025年もアメリカでは高金利と経済成長の併存が続くだろう。年間2回の利下げ予想を維持するが、外れるとすれば、利下げ回数がより少なくなるケースとみている。

少なくとも、2010年代のように、経済成長が続く局面でアメリカの政策金利が2%台まで低下する可能性は極めて低い。同国の金利水準が10年前から大きくシフトしたことは、日本経済にも無視できない影響を及ぼすだろう。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません。本記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

村上 尚己 エコノミスト

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むらかみ なおき / Naoki Murakami

アセットマネジメントOne株式会社 シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、外資証券、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。

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