AppleTVに秘められた壮大なる発展シナリオ アップルは「趣味」から「本気」へシフト
例えば、タクシーを呼ぶことができるアプリ「Uber」が登場したらどうなるだろうか。スマートフォンでは自分の位置情報や拾ってもらう場所を指定して配車を予約するが、Apple TVの場合、設置されている自宅の場所が決まっているため、Siriで「Uberを1台」と指示するだけで、家の前にクルマを呼び寄せることができるだろう。スマートフォンよりもシンプルな活用ができる。
必ずしも、映像やゲームなどのエンターテインメント系アプリだけが、Apple TVにふさわしいわけではない。むしろ、モバイルで便利なアプリとテレビとの融合に、新たな可能性があるのではないか。
テレビにとって重要な3大スポーツ
米国において、野球、バスケットボール、アメリカンフットボールの3大スポーツは、テレビにとって重要なコンテンツと言える。Appleはそのうち、野球、メジャーリーグのアプリをデモで披露した。このデモでは、ネットとテレビをいかに融合させるのか、というデザインパターンの例を見ることができる。
Apple TVのMLB.COMアプリでは、スポーツ中継に欠かせないスムーズな動きを楽しむ事ができる毎秒60フレームのフルハイビジョン映像のストリーミングを実現し、ケーブルテレビなどの映像に負けない画質を確保している。
加えて、2つの中継を同時に楽しむ事ができ、シーズン終盤の地区優勝争いの行方を、同時進行で追いかけられる。また、球種などのデータを同時にチェックでき、解説者さながらのデータとともに楽しむ仕掛けを、テレビの1つの画面でまとめて楽しむ事ができる。
これまで、データなどは、テレビ放送を補助する役割としてアプリで表示してきた。例えば、テレビとiPhone、テレビとiPadという組み合わせで、生放送中の映像とライブアップデートされるアプリのデータでの楽しみ方を実現していた。
Apple TVのアプリは、映像のストリーミングとともにデータも同じ画面に表示することができ、手に握るのは1つのApple TV向けリモコンだけでよくなる。これはテレビの進化の1つの分かりやすい結果だ。
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